中小企業者等の少額減価償却資産の特例

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中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例、この制度の概要と会計ソフトの経理処理例と別表十六(七)の書き方。

この制度の概要

○No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

 

[平成26年4月1日現在法令等]

 

1. 特例の概要

 

中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成18年4月1日から平成30年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。

 

2. 適用対象法人

 

この特例の対象となる法人は、青色申告法人である中小企業者又は農業協同組合等に限られます。なお、中小企業者とは、次に掲げる法人をいいます。

 

(1) 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人

 

ただし、同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円を超える法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人を超える法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。)に発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上を所有されている法人及び2以上の大規模法人に発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上を所有されている法人を除きます。

 

(2) 資本又は出資を有しない法人のうち、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人

 

3. 適用対象資産

 

この特例の対象となる資産は、取得価額が30万円未満の減価償却資産(以下「少額減価償却資産」といいます。)です。ただし、適用を受ける事業年度おける少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円(事業年度が1年に満たない場合には300万円を12で除し、これにその事業年度の月数を掛けた金額。月数は、暦に従って計算し、1月に満たない端数を生じたときは、これを1月とします。以下同じ。)を超えるときは、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度となります。

 

4. 適用要件

 

この特例を受けるためには、事業の用に供した事業年度において、少額減価償却資産の取得価額に相当する金額につき損金経理するとともに、確定申告書等に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書(別表十六(七))を添付して申告することが必要です。

 

5. その他注意事項

 

(1). この特例は、研究開発税制を除き、租税特別措置法上の特別償却、税額控除、圧縮記帳との重複適用はできません。また、取得価額が10万円未満のもの又は一括償却資産の損金算入制度の適用を受けるものについてもこの特例の適用はありません。

 

(注) 研究開発税制についてはコード5441「研究開発税制について(概要)」を参照してください。

 

(2). この特例は、取得価額が30万円未満である減価償却資産について適用がありますので、器具及び備品、機械・装置等の有形減価償却資産のほか、ソフトウェア、特許権、商標権等の無形減価償却資産も対象となり、また、所有権移転外リース取引に係る賃借人が取得したとされる資産や、中古資産であっても対象となります。

 

(注) 所有権移転外リース取引についてはコード5704「所有権移転外リース取引」を参照してください。
(措法42の4、53、67の5、措令27の4、39の28、旧措法67の8、旧措令39の29、平18改正法附則119)

 

 

○No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示

 

[平成26年4月1日現在法令等]

 

法人が取得した減価償却資産のうち次のいずれかに該当するものについては、少額の減価償却資産となり、その法人がこの減価償却資産を事業の用に供した事業年度において、その取得価額に相当する金額を損金経理した場合には、その損金経理をした金額は、損金の額に算入されます。

 

(1).  使用可能期間が1年未満のもの

 

この場合の「使用可能期間が1年未満のもの」とは、法定耐用年数でみるのではなく、その法人の営む業種において一般的に消耗性のものと認識され、かつ、その法人の平均的な使用状況、補充状況などからみて、その使用可能期間が1年未満であるものをいいます。例えば、テレビ放映用のコマーシャルフィルムは、通常、減価償却資産として資産計上し、法定耐用年数2年で減価償却しますが、テレビ放映期間は1年未満であることが一般的です。したがって、テレビ放映の期間が1年未満のものは、「使用可能期間が1年未満のもの」に該当します。

 

(2).  取得価額が10万円未満のもの

 

この取得価額は、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定します。例えば、応接セットの場合は、通常、テーブルと椅子が1組で取引されるものですから、1組で10万円未満になるかどうかを判定します。また、カーテンの場合は、1枚で機能するものではなく、一つの部屋で数枚が組み合わされて機能するものですから、部屋ごとにその合計額が10万円未満になるかどうかを判定します。

 

なお、少額の減価償却資産は、事業の用に供した事業年度においてその取得価額の全額を損金経理している場合に、損金の額に算入することができます。したがって、いったん資産に計上したものをその後の事業年度で一時に損金経理をしても損金に算入することはできませんのでご注意ください。また、取得価額が20万円未満の減価償却資産については、各事業年度ごとに、その全部又は一部の合計額を一括し、これを3年間で償却する一括償却資産の損金算入の規定を選択することができます。

 

(法令133、133の2、法基通7−1−11〜12)

 

○消費税等の会計処理方式の違いによる少額の減価償却資産の判定

 

Q.

 

消費税等の会計処理方式について税抜経理方式を適用しています。この度、105,840円(消費税等込み価額)のパソコンを購入しました。 この場合、購入したパソコンの税抜金額は98,000円(注)となりますので、少額の減価償却資産として損金経理によりその取得価額を損金算入することができるでしょうか。

 

(注) 消費税等の税率を8%として計算しています。

 

A.

 

少額の減価償却資産の取得価額の損金算入の規定を適用する場合において、取得価額が10万円未満であるかどうかは、法人が適用している消費税等の経理処理方式に応じて算定した価額により判定することになります。つまり、法人が税抜経理方式を適用している場合は、消費税等抜きの価額が取得価額となり、法人が税込経理方式を適用している場合は、消費税等込みの価額が取得価額となります。 貴社は消費税等の経理処理について税抜経理方式を適用しているということですので、パソコンの取得価額は10万円未満となり、損金経理をすることによりその取得価額を損金の額に算入することができます。

 

(法令133、平元直法2−1「9」)

少額減価償却資産税抜経理の場合

1台税抜280,000円のパソコン2台購入した例

 

仕訳

 

.現金
.現金

 

6/1 相手科目「工具器具備品」として1台税込価額302,400円のパソコン2台604,800を仕訳してます。

 

 

 

.工具器具備品
工具器具備品

 

6/1 パソコン2台604,800円の消費税分を仮払い消費税に振り替えてます。

 

減価償却費

 

3/31 決算仕訳で税抜価額560,000円を減価償却費に仕訳してます。 

 

 

 

.減価償却費
減価償却費

 

別表十六(七)

 

別表十六(七)1

 

種類、構造、細目の各欄は、耐用年数省令別表第一から別表第六までに定める種類、構造、細目に従って記入します。

 

別表十六(七)2

 

記事はここまでです。

 

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