一般会計ソフトで消費税税抜経理を月次一括税抜経理で行う方法

月次一括税抜経理

消費税税抜経理を「月次一括税抜経理」で行う方法

一般会計ソフトの税抜経理方式は「仕訳時税抜経理」といって、発生する取引の都度税抜で仕訳します。1件ごとにです。これを、取引時税込で仕訳して、月末に消費税分を仮受消費税、仮払消費税に振替仕訳する、「月次一括税抜経理」にする方法を紹介しています。これで、取引全体税込金額ですから確認作業が簡単になります。

 

消費税の税抜経理に次の3通りの方式があります。

 

(1)仕訳時税抜経理 (発生する取引の都度、税抜で仕訳します。)

 

(2)月次一括税抜経理 (取引時は税込で仕訳して月末に消費税分を、仮受消費税、仮払消費税に振替仕訳を行います。)

 

(3)期末に一括税抜経理 (取引時は税込みで仕訳して期末に消費税分を、仮受消費税、仮払消費税に振替仕訳を行います。)

仕訳時税抜経理と月次一括税抜経理を比較

1.仕訳時税抜経理

 

発生する取引の都度税抜で仕訳します

 

@現金科目

 

現金科目は税込

 

日 付 相手勘定科目 適 用 収入金額 支出金額 残 高
4.1 事務用品費 筆記用具   1,100 48,900
4.2 事務用品費 コピー用紙   2,200 46,700
4.3 交際費 軽減税率:(食品)   4,500 42,200
4.5 交際費 お歳暮 5,500  36,700
4.6 売上高  現金売上 100,000  136,700
    4月合計 100,000 13,300  

 

A事務用品費の科目

 

1件ごとに税抜き

 

日 付 相手勘定科目 適 用 借方金額 貸方金額 残 高
4.1 現金 筆記用具 1,000   1,000
4.2 現金 コピー用紙 2,000   3,000
〇〇 〇〇 〇〇  〇〇
〇〇 〇〇 〇〇  〇〇
    4月合計 3,000 0  

 

B交際費の科目

 

1件ごとに税抜き

 

日 付 相手勘定科目 適 用 借方金額 貸方金額 残 高
4.1 現金 軽減税率:(食品) 4,167   4,167
4.2 現金 お歳暮 5,000   9,167
〇〇 〇〇 〇〇  〇〇
〇〇 〇〇 〇〇     〇〇
    4月合計 9,167 0  

 

 

C売上高の科目

 

1件ごとに税抜き

 

日 付 相手勘定科目 適 用 借方金額 貸方金額 残 高
4.6 現金 現金売上  90,910 90,910
〇〇 〇〇 〇〇  〇〇
〇〇 〇〇 〇〇  〇〇
  4月合計 90,910  

 

D仮払消費税等の科目

 

1件ごとに消費税額を

 

日 付 相手勘定科目 適 用 借方金額 貸方金額 残 高
4.1 現金 筆記用具  100 100
4.2 現金 コピー用紙  200 300
4.3 現金 軽減税率:(食品)  333 633
4.5 現金 お歳暮 500  1,133
    4月合計 1,133 0  

 

E仮受消費税等の科目

 

1件ごとに消費税額を

 

日 付 相手勘定科目 適 用 借方金額 貸方金額 残 高
4.6 現金 現金売上  9,090 9,090
〇〇 〇〇 〇〇  〇〇
〇〇 〇〇 〇〇  〇〇
  4月合計 9.090  

 

2.月次一括税抜経理

 

取引時は税込で仕訳して、月末に消費税分を仮受消費税、仮払消費税に振替仕訳を行う

 

@現金科目

 

現金科目は税込

 

日 付 相手勘定科目 適 用 収入金額 支出金額 残 高
4.1 事務用品費 筆記用具   1,100 48,900
4.2 事務用品費 コピー用紙   2,200 46,700
4.3 交際費 軽減税率:(食品)   4,500 42,200
4.5 交際費 お歳暮 5,500  36,700
4.6 売上高  現金売上 100,000  136,700
    4月合計 100,000 13,300  

 

A事務用品費の科目

 

月末に消費税分を、集計して仮払消費税等に振替仕訳を行う

 

日 付 相手勘定科目 適 用 借方金額 貸方金額 残 高
4.1 現金 筆記用具 1,100   1,000
4.2 現金 コピー用紙 2,200   3,000
〇〇 〇〇 〇〇  〇〇
4.30 仮払消費税等 消費税額振替標準税率10% 300 3,700
    4月合計 3,300 300  

 

B交際費の科目

 

月末に消費税分を、集計して仮払消費税等に振替仕訳を行う

 

日 付 相手勘定科目 適 用 借方金額 貸方金額 残 高
4.1 現金 軽減税率:(食品) 4,500   4,500
4.2 現金 お歳暮 5,500   10,000
〇〇 〇〇 〇〇  〇〇
4.30 仮払消費税等 消費税額振替標準税率10%     500  9,500
4.30 仮払消費税等 消費税額振替軽減税率8%     333 9,167
    4月合計 10,000 833  

 

C売上高の科目

 

月末に消費税分を、集計して仮受消費税等に振替仕訳を行う

 

日 付 相手勘定科目 適 用 借方金額 貸方金額 残 高
4.6 現金 現金売上  100,000 100,000
〇〇 〇〇 〇〇  〇〇
〇〇 〇〇 〇〇  〇〇
4.30 仮受消費税等 消費税額振替標準税率10% 9,090 90,910 
  4月合計 90,910  

 

D仮払消費税等の科目

 

 

各科目1ト月分の消費税額

 

日 付 相手勘定科目 適 用 借方金額 貸方金額 残 高
4.30 事務用品費 消費税額振替標準税率10%  300 300
4.30 交際費 消費税額振替標準税率10%  500 800
4.30 交際費 消費税額振替軽減税率8%  333 1,133
4.30 〇〇 〇〇 〇〇 〇〇 
    4月合計 1,133 0  

 

E仮受消費税等の科目

 

各科目1ト月分の消費税額

 

日 付 相手勘定科目 適 用 借方金額 貸方金額 残 高
4.30 売上高 消費税額振替標準税率10%  9,090 9,090
4.30 〇〇 〇〇 〇〇  〇〇
4.30 〇〇 〇〇 〇〇  〇〇
  4月合計 9.090  9,090

マニュアルにない、会計ソフトで行う「月次一括税抜経理」です

@現金出納帳取引を入力

 

取引金額を入力すると、「相手税区分」課対仕入10%内税は自動で表示しますが、軽減税率8%の場合「相手税区分」課対仕入10%をクリックして修正します。現金科目は税込金額です。

 

【現金】
現金出納帳

 

A消費税額を集計

 

「税区分」内税のときは税抜きですから、「借方金額」上段をクリックして、下段に表示した、消費税額(100を手動で集計します。

 

【事務用品費】
事務用品費

 

B集計した消費税額を仮払消費税等へ振替

 

集計した消費税額を「相手勘定科目」をクリックして、仮払消費税等を選択、「適用」消費税額振替標準税率10%と記入したら、「税区分」の内税をクリックして別記にします。内税のままだと消費税額がダブりますから注意。

 

【事務用品費】
事務用品費

 

C軽減税率対象品を含む場合

 

軽減税率対象品は、「適用」に軽減税率を明記して、「税区分」課対仕入10%をクリックして、軽減税率8%に直します。

 

【交際費】
交際費

 

D売上高もABとやり方は同じです

 

【売上高】
売上高

 

E仮払消費税を確認

 

【仮払消費税】
仮払消費税

 

F仮受消費税を確認

 

【仮受消費税】
仮受消費税

 

G現金を確認

 

【現金】
現金

 

記事はここまでです。

 

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